岡山市では、町内会名義の防犯灯の電気代に対する補助が、いっさい、
ありません。これを是正して欲しいという要望は、連合町内会などを
通じて、何度も提出しているようですが、改善されません。
先日、岡山市名義の防犯灯が、車庫の出入りの邪魔になるので、移動して
欲しいと区役所に申し入れました。このお宅では、最近、建て替えを
したのですが、前は建物の角に防犯灯が位置してました。建て替えで、
そこが車庫になり、防犯灯スレスレに車を出し入れしなくてはならなく
なりました。そして、ついに、その家へのお客さんが、車庫入れの際、
防犯灯に車が接触して損傷してしまったというのです。
防犯灯の移動に関する費用は、当然、岡山市の負担と考えて要請しに
行ったのですが、担当者が意外なことを言うのです。
「その車庫の持ち主個人の利益のためなので、受益者負担ということで、
車庫の持ち主に費用を負担してもらいます」
この言葉で、私の逆鱗のところについてる LED が、ひとつ点灯しました。
そんなバカな話はない。電力会社でも、NTTでも、建て替えなどで、
邪魔になったら、無償で移動してくれる。岡山市も、要請に応える義務が
ある。そもそも、この防犯灯は、町内会の境界線上にあり、通行者の
ほとんどは、町内会会員以外だ。つまり、この防犯灯の受益者は市民で
あり、受益者である市民の負担なら、即ち岡山市が負担すべきだ。
と、主張しました。
その後、本庁に問い合わせ中で、回答を得られ次第、連絡するとのことで、
待っていたら、5日後、担当者から TEL がありました。
「移動費用は全額、岡山市の負担するが、町内会から要望書を提出して
欲しい。しかし、その前に、個人の利益のためでないと確認しておきたい」
と言うのです。逆鱗LED の二つ目が点灯しました。「個人の利益のためじゃ
ない。防犯灯を設置しているために、個人が不利益を被っている。その
不利益を受益者である市民=岡山市が解消すべきだと言っている」
この議論は、どこまで行っても、平行線です。で、議論の途中で、町内会が
出すべき要望書に個人の利益かどうかなどと記入する欄があるのかと問うと
余白はあるので、記入することは可能だが、特に記入するべき欄はない
などとワケのわからない答えをする。記入する必要がないなら、この議論を
決着させる必要など無いのでは?あなたと私では考えが違うということで
いいだろと言えば、市の税金を使ってやるので、個人の利益のために行う
というのであれば、不公平になるので行うことが出来ない。だから、確認が
必要だと言います。たとえ、確認しても、それを要望書に載せるワケでも
ないのなら、確認自体あってもなくても同じではないか…と、泥仕合化
しかけてきたので、「とにかく、私の考えがどうであれ、要望は、町内会
として、出すので、たとえば、町内会長は別の考えを持つかも知れない」
と助け船を出すと担当者の声がパッと明るくなり、「では、町内会長さんに
確認すればいいですか?」というので、どうぞ、ご自由にと答えて、
とにかく、要望書の書式を町内会長宛に送っておいて欲しいと言えば、
「じゃあ、町内会長さんが要望書を提出してくれるのですか?」などと
調子に乗るので「いや、提出は、パシリの、この私がします」と五寸釘を
刺しておきました。
この担当者には、他の件で、不快な思いをさせられたことがあったので、
今回は、徹底的に、いてこましてもいいのですが、特に利益も生まないので
放置することになるでしょう。しかし、「責任」という言葉に極端に弱く、
何を差し置いても避けようとするとか、受けた要件は、「この件は、
むつかしいですよ」と、ことさら、困難さを強調してみたり、上述のように
決定を伝えるとなると、それをエサに自分の主張で相手をネジふせようと
したり、たとえて言うと、刑事ドラマ見過ぎの新人刑事が、いつもコートを
着てるみたいな、なんだか、安っぽいドラマで描かれる公務員像そのまんま
みたいな野郎なので、今後もイジる機会があることでしょう。
で、やっと、冒頭の件に戻りますが、防犯灯の受益者は誰かという話です。
個々には、袋小路の奥に一軒だけしか家がないというような、主として、
その家に住む人たちかなというケースもあるでしょうが、たいていの場合、
不特定多数の通行人で、つまりは、市民ということになると考えられます。
だから、電気代は、市が払うべきものだと思います。
防犯灯は、民地に設置されていたり、中には、民家の外壁に設置されている
ものもあるので、全部を市の名義にするには、困難なケースもあります。
だから、町内会名義のままであることについて、特に異議はありません。
また、球切れを見つけて交換するといった日常的な管理も、市がやるより
町内会が行うほうが、効率もいいだろうし、コストも抑えることができる
でしょう。でも、電気代まで払えというのは、たとえば、町内会を市に
置きかえれば、町内会は、各班に防犯灯の管理を委託し、その費用は、
各班で払えと言ってるようなもので、受忍できる範囲を越えてます。
私の属する町内会は正会員が百世帯に満たない小さな町内会です。去年、
公会堂を建て替えたので、そのときに、340万円の借金ができました。
そのうち、140万円については、有志に十年分町内会費を前払いして
もらって、十年間町内会費を徴収しないことが、返済の代わりになる
というカタチの借金です。200万円については、公会堂を会議室として
貸し出して、その料金を返済に充てるというものですが、見通しが立つ
ものでもないので、ある時払いの催促無しという条件での借り入れと
なってます。
というわけで、毎年の町内会費収入のうち、14万円については、天引きで
負債の返済金になっているため、毎年の会費収入は、36万円です。一方、
防犯灯の管理費用は、年間、約6万円です。これは、借金がなくても、
ズッシリとのしかかる金額です。公会堂ができて1年が経過しましたが、
いまだに、公会堂を借りたいという申し出はありません。何とか、防犯灯の
電気代を全額、岡山市に負担してもらわないことには、200万円の返済が
できません。それよりも、集めた町内会費を右から左へと支払いにあててる
だけでは、防災に強い町づくりだとか、お互いに気持ちよく楽しく住める
町づくりだとか、町内会本来の役割を果たすことが困難になっていきます。
とはいえ、町内会があえぐような電気代を、財政が逼迫している岡山市も、
おいそれと負えるような状況ではありません。でも、今なら、ひとつだけ、
財源を確保できそうな道があるのです。
岡山市では、一昨年から、5年計画で、市内の防犯灯をすべて、LED 化
するという取り組みをしています。私の属する町内会規模で、年間、
10万5千円の補助金を受けながら事業を進めています。これは、既設の
防犯灯を取り替えるための補助金で、これとは別に、LED 防犯灯を新設する
ための補助金というのがあり、今年度は、11万円ほど、補助を受けて
3基増設する予定にしています。
この LED 化事業のために確保された財源が何もしないと、2年後には、
消えてしまいます。それを、この機会に、なんとか、防犯灯電気代補助と
中身を代えて存続させることができれば、電気代補助が現実化します。
ウチの町内会の規模で言えば、取り替え補助金部分だけで、電気代全額と
防犯灯新設年間一基の補助が可能になります。
近々、岡山市役所に乗り込んで、交渉開始します。最後には、補助金を
もらえるまで、町内会の防犯灯全灯点灯休止などの武闘派闘争にまで
拡大するか?乞うご期待。
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